交通事故の後遺障害(中日新聞尾張版掲載 「暮らしの法律相談」)
Q. 交通事故に遭い後遺障害で一生車椅子が必要な生活になるかもしれません。車椅子の費用や自宅・自動車改造費を加害者に請求できますか。
A.車椅子は後遺障害により失われた身体機能を補助するものですので,その購入費用は損害として認められ加害者に請求できます。実際に購入したものだけでなく将来必要となる分についても損害として認められます。
また,後遺症によって歩行が不可能になった場合,通常は,自宅の改造(出入口,風呂・トイレの改造,スロープ,リフトの設置など)および自動車の車椅子仕様への改造や買替が必要になります。この改造費・買替費用については必要かつ相当な範囲で加害者に請求できます。
実際にどの程度の費用を請求できるかは,後遺障害の状況と具体的な工事・改造の内容によります。裁判例では後遺障害1級で両下肢完全麻痺等の被害者に対して,住宅改造費として1000万円を認めた例,同じく後遺障害1級で四肢麻痺等の被害者に対して,自宅改造費として930万円,車両購入費として111万円を認めた例などがあります。
なお,後遺障害については他に逸失利益(労働能力喪失による将来収入減少分)や慰謝料等を請求することになります。
(平成25年6月25日中日新聞全尾張版「暮らしの法律相談」掲載,執筆担当:弁護士野村一磨
)- 2013.06.28 Friday
- 暮らしの法律相談(中日新聞掲載)
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