売掛金の回収(中日新聞尾張版掲載 「暮らしの法律相談」)
A.売掛金の請求方法は,電話,面談,手紙等どんな方法でも構いません。ただ,交渉が決裂した場合に備え,交渉経過を証拠に残すことを意識した方がよいでしょう。内容証明郵便で請求した場合,相手方に催告したことの証拠になり,時効の中断・契約の解除・遅延損害金の発生等の法的効果が発生したことを証明できます。相手方に届いたことを証明するため配達証明付で送るとよいでしょう。
交渉が決裂した場合,訴訟を行うのが通常ですが,簡易裁判所での支払督促や少額訴訟といった手続もあります。第三者機関を介入させ話会いを継続することが有益な場合も考えられます(裁判所の民事調停,弁護士会の紛争解決センター)。
訴訟の結果,相手方に支払を命じる判決が下されても判決に従わない場合,強制執行により相手方の財産(不動産,動産,預貯金,売掛金・貸金等)から回収します。
ただ,訴訟提起・強制執行までの間に,相手方が財産を処分してしまうおそれがある場合,先に仮差押・仮処分を行います。仮差押・仮処分を受けると相手方の事業に影響が生じることも多く,その解除を求め支払に応じることがあります。
売掛金回収のためには,普段から相手方の資産,取引口座,取引先等の情報を把握するよう心がけておくとよいでしょう。また,適切かつ迅速に売掛金の回収を行うため,専門家である弁護士にお早めにご相談下さい。
(平成25年9月24日中日新聞全尾張版「暮らしの法律相談」掲載,執筆担当:弁護士野村一磨)
- 2013.12.25 Wednesday
- 暮らしの法律相談(中日新聞掲載)
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