勤務先の残業代不払いについて(中日新聞尾張版掲載 「暮らしの法律相談」)
Q.私が働いている会社では残業代が一切支払われていません。思い切って社長に話してみたところ「嫌なら止めてもいいんだぞ。」と言われました。どうしたらきちんと払って貰えるでしょうか?
A.残業代不払いは、労働基準法違反であり刑罰も定められています(労基法119条、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金)。
残業代不払いを是正する方法として、まず、労働基準監督署に労基法違反の申告を行うことが考えられます。労働基準監督署が調査に入り使用者に対して是正勧告をすることで残業代が支払われることが期待できます(勧告に従わない場合には逮捕・送検等の刑事手続に進むこともあります。)。なお、この申告は匿名でもできるため在職中でも問題はありません。また、裁判以外の解決手段として、弁護士会の紛争解決センター、各都道府県労働局下の紛争調整委員会、労働委員会によるあっせん等も考えられますが、あくまで話合いが前提となるため、実効性があまり期待できない場合もあります。その他、労働組合に加入して交渉するという方法も有効な場合もありますが、いずれの場合でも、最終的には裁判手続での解決(労働審判、労働訴訟)となりますので、早い段階から証拠の確保について準備しておくことが重要です。
適切な解決方法を知るためにもお早めに弁護士に相談することをお勧めします。
(平成30年10月15日中日新聞全尾張版「暮らしの法律相談」掲載,執筆担当:弁護士野村一磨)
- 2018.10.26 Friday
- 暮らしの法律相談(中日新聞掲載)
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